夏真っ盛りの8月、子供が夏休みだったりとお出かけをする機会も増えていると思います。
レジャー施設やショッピングモールなど以外のお出かけ先を探しているアナタ、葛井寺さんの『千日まいり』とはご存じでしょうか?
千日まいりは毎年8月9日に行われ、この風習は観音信仰の広まりとともに誕生し、古くから観音さまの功徳日として広く人気を集めました。その日のおまいりは千日分のご利益になるといわれています。
さらにさらに、大阪府内のパワースポットである葛井寺(ふじいでら)さんでは、8月9日の本堂で祈祷、回向を受けると4万6千日分(約126年分)の功徳を授かることができるんだとか。言うなれば超お得なサービスデーのような日です。
これはお参りせざるを得ない!
8月9日は千日まいりの日!
『東は浅草の浅草寺、西は大阪の葛井寺』のキャッチコピーで行われる千日まいり。コロナウイルスの蔓延前には境内に出店が所狭しと並び、人でごった返していました。
葛井寺さんの千日まいりは地域の夏の一大イベントとして人々から愛されていましたが、昨今は三密の回避などを理由に中止を余儀なくされていたようです。
千日まいりは一年で一番の功徳日、まさに観音様からの年に一度のボーナスデーです。
修法は希望すれば誰でも受けられるようです。観音さまのご加護を受けて明日からの活力にしましょう。
千日まいり当日には、祈願線香やろうそくが売られています。ご自身の願いに近い内容の線香を12種類から選び、に火をともして奉納します。
12種類のラインナップは、「かんしゃ、学業成就、病気平癒、心願成就、交通安全、祖先供養、開運招福、仕事成就、身体健全、金運上昇、商売繁昌、家内安全」です。私は今回「開運招福」を選びました。しっかり線香の煙を全身に浴び、今後の幸せを祈って帰宅。祈願書きのないシンプルな線香も販売されています。
ところで調べてみた所、他の寺社仏閣でもまた異なる「千日まいり」が行われているようでした。詳しくは分かりませんが、宗派の違いなどでしょうか?
『葛井寺』ってどこにあるの?
大阪府の藤井寺市、藤井寺駅より商店街を通り抜け、歩いて約5分ほどで葛井寺さんにたどり着くことができます。当日は商店街も賑やかで店先で特別販売をしているところもありました。
お寺の大門は千日まいり仕様になっています。こちらはR3年に改修された南大門です。
葛井寺さんは7世紀に創建された歴史あるお寺で、千本の手を持つ日本最古の千手観音が御本尊に安置されています。最近は開創1300年を迎える2025年に先立って『南大門』、『阿弥陀堂再建』、『阿弥陀三尊二十五菩薩修復』が行われています。
国宝である十一面千手千眼観音菩薩像は、実際に「1041本」の手を持ちます。『千手』なのだから当たり前と思うかもしれませんが、日本では四十二手とされるのが一般的のようで、実際に千手をあらわすのは唯一なんだとか。そんな菩薩像は毎月18日にご開帳されるようです。
毎月18日には千手観音様の持物のモチーフの根付が限定販売されます!
また、カフェでも限定のお食事(ランチ)が頂けるようです。
葛井寺の境内について
葛井寺の境内の様子を写真とともにご紹介します。これらは『千日まいり』の数日前に訪問した際に撮影したものたちです。
葛井寺の顔とも言える南大門から入場します。2体の仁王像に出迎えられます。
改修直後ということもあり、朱色がまぶしい!装飾も美しく立派で、いわゆる映える門です。南大門は入母屋造の楼門(2階建ての門)で、全国的に見ても大変珍しい構造物とのこと。
阿弥陀堂は再建のため現在解体中でした。この大改修に際し、有志による瓦奉納ができます。自分の納めた瓦が新しい阿弥陀堂の一部となり未来に残ると考えると、すごく貴重な体験かもしれません。裏面には願い事やメッセージを記入できます。
藤の花の名所 葛井寺
葛井寺さんは藤の花の名所としても知られ、境内には立派な藤棚が複数あります。春には境内が紫と白で彩られ、甘やかな香りが立ち込めます。
藤は魔よけの花としても有名ですが、葛井寺さんは歴代の天皇を始め豊臣秀吉や徳川家代々などその時代時代の天下人の庇護を受けたこともあり、焼き討ちなどにはあわずに永らえてきたお寺のようです。戦火により一部消失したり被害を受けた部分もあるようですが、こうして今も残り続け地域に根付くお寺さんです。もしかしたら藤花たちもはるか昔からこの周辺の安全を守るのに一役買ってくれていたのかもしれません。
寺カフェ ヴィクリディタ サマデ キリク
境内にはカフェがあり、休憩がてらスイーツや飲み物などがいただけます。
葛井寺さんは西国第五番札所としても有名ですが、ここのカフェ目的で寄る方も多いほど人気のお店です。名物は葛餅ですが、季節に合わせて色々なスイーツを頂けます。特に暑い時期に食べるかき氷はまさに至福の味。熱中症の回避もかねて涼んでいくのもいいでしょう。お店は一面ガラス張りで開放感に溢れています。藤のグリーンカーテンの合間から入る日の光が美しい!
お店の名前である「ヴィクリディタ サマデ キリク」の語句の意味は、以下の通り。
●キリク:梵字で千手観音様の意
●サマデ:三昧(さんまい)の意 (心を一つのものに集中させて,安定した精神状態に入る宗教的な瞑想。また,その境地。)
●ヴィクリディタ:どんな人間や機械類にも少しの遊びは必ず存在するが、その空間のことを指す。
毎月18日の観音様のご縁日のみ限定15食の精進料理ランチも提供されているようです。お料理の献立はなんとご住職がチョイスしているとのこと!行くなら予約は必須です!!
弁天池はカフェの中からも見えます。3枚目の写真の赤いのぼりは1年間ずっと掲げられているとの事。その横の専心龍乗観音菩薩立像は人々の願いを叶えてくれるそうです。龍神を従えた凛々しい菩薩様でした。
西国第五番札所 葛井寺 の境内を散策
御本堂にお参り。本日は18日ではないので御本尊はお預けです。そして御朱印帳を忘れてしまったので、御朱印を頂くのも諦めました。日本最古の千手観音様にお会いできる日は来るのか・・・次はしっかり予定を立ててお参りすることを決心しました。
本堂とは別で納経朱印所が設けられていますが、一般の日は本堂にて御朱印が頂けます。
毎月8日、18日、28日と催事日などに護摩祈祷を行う護摩堂。護摩行を行っている時はめらめらと燃え上がる火が御堂の中に見えます。千日まいりの当日にも護摩行による厳修を行うそうです。
それにしても8月の酷暑の中、護摩行を行うご住職や関係者さんが凄すぎる。心頭滅却すれば火もまた涼しなのでしょうか。厳しい修行により成せる業なのかもしれません。熱中症や火傷なども含め、お身体ぜひご自愛頂きたいものです。
葛井寺まとめ
お寺自体はコンパクトにまとまっており、カフェで休憩しても30分程度で見てまわれる規模の葛井寺さん。
しかし古くから多くの人々に愛されてきたこともあり、その時間の流れと営みが随所にみられる素朴な温かさを感じられる場所です。
ご開帳が行われる毎月18日と今回の8月9日:千日まいりの日は普段よりもさらなるパワーを授けて頂ける日と言えます。ここで英気を養い、明日からの日々を幸せに生き抜く力となれば最高なのではないでしょうか。
*拝観時間や入堂条件も、通常とは異なっています。このブログではあくまでも私が参拝した当時の情報と、更新現在ネット等で公開されている情報が元になっています。参拝時はご自身で最新情報をお確かめください。
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